ポール・コリアー(スヌーカー・レフェリー)

2006年のプレミアスヌーカーリーグの放送を今頃になってもまだゆっくりしたペースで消化しているのだが、レフェリーのことがずっと頭から離れないのである。淡白な顔つきの普通に冴えない小太りのおっさんなのに、妙に気にかかる。繰り返しテレビで見ているうちに意識に刷り込まれた模様。いわゆる日本人が考える英国紳士像と見かけは大外れだが、物腰は結構それらしいように思う。レフェリーなので当然のことだが基本的には邪魔にならない存在。ただしジャッジメントは多分的確(少なくともクレームが付くところはほとんど見ない)。彼が格闘ゲームのキャラクターになったらとか無駄な空想をしている。必要な時だけ舞台に出てきて必要なだけ相手をぶん殴り、真っ白な手袋を鮮血に染め、仕事が終わればスッと背景に戻る。身だしなみは華美ではなく貧相でもなく、常にきちんとベストを着けて。実は手袋を右手から着けるというジンクスを密かに守っている。馬鹿じゃないの自分。

本人のサイトによるとスヌーカーレフェリー業は2005年に専業からパートタイムへ切り替えている(プレミアに出ている通り、完全にやめたわけではない)。理由は家族とろくに会えないほど時間を取られているのに、スーパーマーケットの品出し担当者と同程度の年収しかないからとのこと。寂しい話だ。プレミアスヌーカーリーグというのはワールドチャンピオンシップと違って相当金をかけて有名どころだけを呼ぶ贅沢な番組(だと認識している)なので、それに出ずっぱりのポール・コリアーも一流のレフェリーだと思うのだが、そうでもないのか、あるいは(プレミア以外の仕事で)評価と賃金がうまくバランスしてないのか。その後、本業としては車のショールームのゼネラルマネージャー、その後はTredegar Cons Club(スヌーカー場などがあるらしい、イベント会場の類か?)のマネージャー/スチュワードをやっているとのこと。
とりあえずプレミアのレフェリーは続けて欲しいな。というかJ Sportsはもうプレミアを放送しないつもりなんだろうか。