CoCo壱番屋 スパイスカレー THEポーク + ロースカツ

「スパイスカレー THEポーク」3月1日発売、税込み890円、890kcal。ロースカツ追加。
CoCo壱番屋 スパイスカレー THEポーク ロースカツ
今回の「スパイスカレー THEポーク」は過去に発売したことのない本当の新作と思われる。ただしスパイスカレーという呼び名・ジャンルはCoCo壱番屋のオリジナルではなく、2016年頃から盛り上がりを見せている大阪発の流行物。CoCo壱番屋のスパイス供給元であるハウス食品からも今年2月にレトルトカレーと粉末スパイスをセットにした「スパイスフルカレー」が発売されており、そういう流れの中に今回の期間限定メニューも位置している。
スパイスカレーという名前は実はちょっとおかしくて、複数のスパイスを配合したものがカレーなので馬から落馬みたいな冗長さがある。しかしジャンルとしての「スパイスカレー」は要するに古典的なカレーよりもスパイスの主張をはっきりさせるところに主眼があり、その手段の一つとしてカレースープの上に粉末状のミックススパイスを掛ける手法が採用されている。
我々が認識するカレーらしい風味とは実際には味が半分、香りが半分というところで、例えば辛い味付けにクミンの香りを足すだけでカレーっぽいと思わせることができる。それくらいカレーにおける香りの重要性は高い。そして粉末スパイスはまさにその香りを演出するのに適している。スープに混ぜると埋没してしまう香りを粉末状のままで鋭く感じてもらうことができるのだ。
とまあ長広舌を述べたあとの竜頭蛇尾で申し訳ないが、今回の「スパイスカレー THEポーク」はそこまで香りは強くない。食べる前はジャンクな味わいを期待していたが、食べてみると広い客層に受け入れられそうなマイルドな香り付けだった。CoCo壱番屋というのはそういう一般向けチェーン店ということなのだろう。辛さは無指定(0辛)にしたが、1.5辛くらいの辛さを感じたので割と辛口。具材は豚肉と野菜で、とくに柔らかく煮込まれた豚肉がとても美味しかった。もしこの豚肉を2倍・3倍に増やすオプションがあったら再度足を運んだだろう。ロースカツの方は残念ながらかつや・松乃家といった専門店と比べると肉はボリューム不足、衣の食感も物足りない。1年近くCoCo壱番屋を訪れなかった理由は案外このあたりにあるのかも知れない。