日本語勉強としてのSS読み

アニメSSを読みながら、ああ、きっとこの形態は外国人が日本語を学ぶのに役立っているだろうなと思った。
自分が初めて読了できた英語の長文はスキンマグのエロ小説だった。それから大人向けのテキストアドベンチャーMS-DOSでプレイした。ネットが自由に利用できるようになってからはalt.sex.storiesあたりのニュースグループを見た。そしてrec.arts.anime.storiesもたまに読んだ。締めに「whateva」ってそれが言いたいだけだろ!(エヴァンゲリオンのファンフィクへの突っ込み。)
中学生向けのベオウルフは何とか読み進んで、王の死に涙した。幼年期の終わりは後日翻訳版を読むまで全然理解してなかった。テリー・プラチェットのユーモアファンタジーは無生物が生意気に喋りまくるのが楽しかったが、分からないところも多く結構飛ばし読みだった。
そして自分にとって記念すべき作品は銀河ヒッチハイクガイドのラジオ脚本(1985年版)だ。ベストセラーの売れ残りで安く購入できたが、予備知識もなしにどういった経緯でこの素朴な表紙の本を手に取ったのか全く覚えてない。でも面白かった。読み進めるのに辞書はほとんど必要なく、英語のギャグを読みながら声を立てて笑える自分というのが素晴らしい体験だった。


現在Vipに投稿されるアニメSSもまた会話の羅列で進む脚本形式が多い。名前と発言、名前と発言、時々オノマトペ、それが延々続く。難しい言葉は滅多に用いられない。キャラクターはアニメで学習済みなら、場面を思い浮かべるのは全然難しくないだろう。もちろん作品の傾向にもよるし、行間を読んだり推理を要求されるものは辛いかも知れないが、掛け合いコメディが中心の作品なら障害はないはず。
あるいはエロSSである。これはもうさすがにあまり興味ないが、今も実態としてエロSSは少なくないし、性欲は面倒くささを凌駕する力になる。エロCGやエロ同人漫画に飽き足らなくなった海外のアニメファンがエロSSへ食指を伸ばし、やがて立派なエロ単語ソムリエに育つことを願って止まない。