らあめん花月嵐 THE淡麗醤油ラーメン 石神SPECIAL'S チャーシューメン

12月6日発売、税込み1020円。チャーシューメンではない通常版は820円。
らあめん花月嵐 THE淡麗醤油ラーメン 石神SPECIAL'S チャーシューメン
淡麗系醤油ラーメンというジャンルの存在はこの商品の告知ページで初めて知ったが、検索してみると確かに実在するようだ。この商品に関してはあれこれ贅沢な材料を使用したと広告されているが、淡麗な醤油ラーメンという字面からは正直普通の醤油ラーメンが思い浮かぶ。まあ実際に確認してみるのが早いだろうと食べに行ってみた。
券売機には820円の通常版のボタンと1020円のチャーシューメンのボタンが並んでいる。このラーメンに載るチャーシューがどんなものかは確かに気になっていたのでチャーシューメンの方を注文。
スープを啜ってみると予想外の味がする。醤油の色や風味はあるが主役ではない。一瞬バターの風味を感じたがおそらくそれは松茸や魚介の渾然さが与えた錯覚で、複雑で芳醇な旨味と香りが解釈を難しくする。これを醤油ラーメンと呼んでいいものか迷う。醤油ラーメンを希望するお客さんにこれを出したら怒られるんじゃないかというくらい違う。単純な美味しさではない、風味の迷路のようなスープだ。
チャーシューはいつものペラペラチャーシューとは異なり、厚みこそ普通だが噛むと味わいがよく伝わってくる食べ応えのあるチャーシュー。標準のチャーシューもこれくらい味わいがあればと思う。
酒粕入り全粒粉で作ったという細麺は蕎麦のような灰色で、咀嚼すると精製前の小麦本来が持つ風味が感じられて面白い。玄米を連想する。若干粉っぽくもある。一般的な中華麺と比べると、この麺が合うスープは限られるだろう。
普通の見た目に反して色々挑戦的な風味がするこのラーメンは万人にお勧めではないが、これまでのラーメンと違うものを作り出したところは凄いと思うし、何年か後に復活することがあればこの個性を再び体験したくなる気がする。
ただし名前は変えてほしい。かっこいいと思ってのことだろうけど'Sを付けて所有格にすることで無意味になっている。21世紀になっても英語話者に通じない英語を恥とも思わない感覚がいまだ普通に蔓延しているという事実が耐え難い。オリンピック開催中には花月が増々張り切って恥ずかしい横文字を使うだろうことに気付き、打ちのめされた気分になる。