松屋 牛めし 大盛 増量セール

牛めし大盛税込み530円、1158kcal。豚汁100円、243kcal。
松屋 牛めし 大盛 増量セール
1月4日から1月25日まで行われている牛めし増量セールと、同じく1月4日からの豚汁100円クーポン。牛めし並盛はお肉25%増量・大盛は60%増量とのことで実際どれだけ多いのか気になっていた。25%ではたぶん実感が湧かないので大盛を注文。
あと漫画で見た紅生姜てんこ盛りをやってみようかと思っていたが、小市民な自分では結局この程度が精一杯だった。七味唐辛子も気持ち多めに振ってはみた。
肉は実際多くて並盛の倍くらい重なってる印象だが多すぎるというほどではない。紅生姜の酸味の助けもあってか、今後こっちの量を食べるとしても問題ない感じだった。
しかし豚汁が全く冷めないのには閉口した。牛めしを食べ終わる頃でもまだ熱々でなかなか食べられない。油膜を浮かべることで気化熱が奪われるのを防ぐという北海道のラーメンなどでも利用されるテクニックだそうだが、保温効果が高すぎる。

肉の増量率の計算

さて折角なので公表されているデータから肉の増量の程度を推定してみる。大盛60%増量といってもこれは並盛を基準とした60%なのではないかという個人的な疑念を証明もしくは払拭したい。

まず関連商品のカロリー(kcal)

35 みそ汁
386 ライス 並盛
580 ライス 大盛
693 牛めし 並盛(標準時)
955 牛めし 大盛(標準時)
762 牛めし 並盛(お肉増量中)
1158 牛めし 大盛(お肉増量中)

以上の数値から肉だけのカロリーを求める

272 牛めし 並盛(標準時)-(ライス 並盛・みそ汁)
340 牛めし 大盛(標準時)-(ライス 大盛・みそ汁)
341 牛めし 並盛(お肉増量中)-(ライス 並盛・みそ汁)
543 牛めし 大盛(お肉増量中)-(ライス 大盛・みそ汁)

(この計算で出した肉のカロリーは同じサイズの牛皿よりも10kcal高くなるが、これは汁の差だと推測している。牛皿は汁を吸うご飯がないことを考慮して、牛めしで言うところのつゆ抜きで提供する規定になっているのではないか。)

計算結果を整理すると肉の量は[A]:272kcal [B]:340~341kcal [C]:543kcalの3種類に大別され、B/A≒1.25、C/B≒1.6、C/A≒2の関係にあることが分かる。B/AおよびC/Bの比率は今回の増量キャンペーンの申告と一致し、大盛60%増量は並盛比ではなく本当に大盛の肉量からの6割増しだという結論になる。
「並盛お肉25%増量」とは肉を普段の大盛と同じサイズBで盛るオペレーションで、要するに「あたま大盛」と同じものになる。あたま大盛480円を並盛の380円で買えるので100円お得ということになる。
「大盛お肉60%増量」である肉量サイズCはサイズAのほぼ2倍になる。2010年2月18日に特盛サイズが導入されたとき牛めし特盛の肉は並盛の2倍であることが告知されており、つまりこれは特盛の肉量で盛るオペレーションになる。ご飯が増量されないことを無視すれば特盛650円を大盛530円の値段で買うようなものなので120円お得と言える。
過去の事例で言うと「MATSUCA 0円定期券」の場合牛めし類は30円引きなので、それと比べると今回のセールは金額的にかなりの大盤振る舞いに見える。並盛を安く買いたいだけの人には無用のセールかも知れないが。
並盛・大盛ともに増量後のサイズが今回のキャンペーン専用の特殊な分量ではなく、普段から慣れているサイズをそのまま流用しているところは従業員に優しいしオペミスも防げるだろう。既存サイズを流用する判断が先にあって、25%や60%は営業効果を考えて出した数字とかではなく単なる計算結果だったわけだ。もっとも、そもそもの大盛・特盛の量は当然営業効果を考慮した上での決定だろうからどっちが先かと言えば営業判断だとも言える。いずれにせよ松屋牛めしは5種類のサイズがあるのに対し、従業員が習熟する必要がある肉量は並盛・大盛・ミニ盛の3種類だけというのは面白いし効率的に思える。

(なおミニ盛の肉量は判然としない。牛めしミニ盛は512kcalあるが、ミニ牛皿141kcal+ライスミニ盛269kcal+みそ汁35kcal=445kcalで67kcalの差があり、前述の汁の差10kcalを考慮してもなお57kcal足らない。ミニ牛皿とライスミニ盛のどちらか、あるいは両方が牛めしミニ盛の量とは違うのだろうとしか言いようがない。ただ推測で言うとミニ牛皿牛皿並盛262kcalの半分くらいしかなく、丼のご飯を覆うにはあまりにも頼りないので、不足分の57kcalをすべて肉だと仮定すると肉量は198kcalとなる。ミニ盛はご飯が少ないので標準でつゆ抜きでの提供だとすればその分も上乗せして208kcalになる。並盛の肉量との比率は198/272≒0.73、208/272≒0.76となり、丼全体の比率が512/693≒0.74なのでまあそんなところかなという印象。計算は省くが蛋白質・脂質・炭水化物の合計も公表されている成分量と近いところに収まる。もしこれが正しければ牛めしミニ盛の肉量はミニ牛皿と同じではなく3~5割増しなので、稀に見掛けるミニ盛とミニ牛皿の肉量が同じという前提に立ったコスパ議論は的外れということになる。)

改めて松屋の商品ページで牛めしを見ると並盛(お肉増量中)とあたま大盛の栄養成分量が完全一致だし、大盛(お肉増量中)と特盛もかなり近い(蛋白質の差異が3gしかない)ので結論は最初から明らかだったんだな。
それにしても100円プラスで肉が25%増えるというあたま大盛は、よくよく考えるとあまりお得感がないので今後は買い控えると思う。まず25%という数字自体がもう誤差みたいなもので増えた実感が無い。それに100円のミニ牛皿が並盛の50%相当なのでそれより明らかに損というのもある。かといってミニ牛皿を買って牛めし並盛に載せる気にもならないかな。
また一連の検証で1.25×1.6=2という新たな知見を得たが、この知識を今後の人生で活用できる場面は多分来ないだろう。