ペヤング 獄激辛やきそばFinal

3月7日発売、メーカー希望小売価格税込み270円、558kcal。
ペヤング 獄激辛やきそばFinal パッケージ
ペヤング 獄激辛やきそばFinal マヨネーズ 納豆 生卵
獄激辛の時点でかなり無理だったので、その2倍の辛さのこれも後悔しそう。しかし食べないまま本当にこれが最後になったらそれはそれで後悔しそうな予感も否めず、結局セブンイレブンで239円で購入。
もっともこれで最後かは正直疑わしい。ペヤングは「辛さレベルMAX!!」という触れ込みで激辛やきそばを発売しながらそれ以上に辛い激辛MAX ENDを出して、さすがにこれで終わりかと思わせておいて今度は獄激辛シリーズを始めたという前科持ち。既に2回裏切っており、このあとまた何かGで始まる激辛系を出しても何の不思議もないというか、むしろ出すことを期待されているはず。宣伝文句がここまで信用できないメーカーはそうそうない。歴史的経緯があるとはいえ今となっては全然BigじゃないペヤングをBigと言い張り続けてるし。
これを食べるにあたり粘液系でコーティングする工夫は当然として、今回は冷やす方法についても考えを巡らす。カプサイシン受容体は温度が高いほど強く作用する。松屋でカレーを食べてるとき味噌汁を口に含むと痛みを感じるあれ。では調理後に冷蔵庫で冷やすか? しかし時間を置くと麺同士がくっついてソースを混ぜにくくなったりと副作用もありそう。痛みを抑えられても不味くなっては本末転倒。そうこうするうちに気付いた。冷水で締めればすぐに冷やせるのではないか? 幸いペヤングに限らず今のカップ焼きそばの容器は接着蓋に湯切り口を備えたざるのような仕組みが採用されており、水で締めるにはうってつけの構造をしている。
というわけで今回は熱湯3分で調理後お湯を捨てたら水道水を注いでいく。容器を揺すって麺をほぐしつつ、湯切り口からそのまま排水する。排水の勢いは思ったより弱くて容器がすぐ水で一杯になるので、水はちょろちょろという感じのペースでしか足せない。湯切り口の穴を広げるのも一計だが、かやくが流出しやすくなるのが悩ましい。あと熱でめくれ上がっていた蓋が冷えると閉じてくるのが邪魔なので、折り目を付けて戻りにくくするべきだったか。
冷やされた麺にソースを掛けて一旦混ぜる。ディスペンパックのマヨネーズを絞り、納豆と生卵を足す。今回使ったものは全て冷蔵で温かいものは一つもない。仕上げに感覚を鈍麻させるための冷酒を用意して食事開始。
冷却による痛みの抑制効果は大きく、一口目をすすった段階ではそんなにきつくない。唇も大丈夫。
と思ったが二口目ですでにやばい。麺を噛むと痛さが直撃してきて涙目。だからといって噛まずに飲み込むのは食事と言わない気がする。対策としては噛む回数をなるべく減らすしかない。あと刺激が痛みになるので酒に炭酸を選んだのは失敗だった。
三口目。ギブアップ。早いな! 原因は舌にへばりつく痛みがもう危険域に達したから。しばらく我慢すればやり過ごせる痛みではあるけど、これを四口目・五口目と重ね掛けしたら耐えられないと確信した。そりゃ閻魔も泣くわ(あのパッケージは好き)。一口ごとに5分くらい休憩を取れば続行できなくもないが、自分は別にプロのレビュアーではないのでそこまで苦行を受忍する理由がない。
ラップで厳重にくるんで生ごみ行き。食べ物は粗末にしないよう躾けられたがこれは食べ物じゃないのでセーフ。拷問具を食べ物と偽って販売したまるか食品にすべての非がある。
振り返ってみると麺を冷水で締めるのは良いことばかりではなかった。普通に作ると麺に激辛ソースを混ぜたあと余熱である程度水分が飛ぶので、このことが上から粘液系でコーティングする上で重要なプロセスだったように思う。ところが冷やし麺だと激辛ソースが全然乾かずウェットなまま麺に残り、生卵などの粘液を追加したとき激辛ソースが普通に混ざってしまう。そうやって生まれた激辛粘液が舌の上に長時間居座る原因になったと思えてならない。冷水ではなく扇風機やサーキュレーターの風を当てて冷やせば気化熱で乾燥と冷却を同時進行できるスマートな解決になりそうだが、確実に冷水より時間がかかるのと室温より下には冷やせない制限がある。
ペヤングの辛さのチキンレースは今回で無事埠頭から海にダイブした感があり、次に何を出すとしても辛さ向上はさすがにこれで打ち止めじゃないだろうか。激辛ファミリーの先駆けである元祖激辛やきそばは普通に食べられる辛さだったので大衆受けに関してはあれでいいじゃんと思うし、実際今でもネットでは購入できるので製造は続いてる模様。粘液コーティングみたいな策を弄さなくても普通に食べられるバランスなのであの辛さを基準にバリエーション展開するのがいいと思う。辛さをエスカレートさせるよりも幅広い客層を得られるだろうし、ネーミングについても「激辛××」ならG始まりの条件を満たせる。
しかし近年はこの激辛やきそばをコンビニやスーパーで見かけることがないので現状では広く流通しているとは言い難い。期間限定の色物商品を発表し続けることでしか存在感を維持できない関東ローカル企業の悲哀は確かにあるのだろう。
パーマリンクの英文はちょっと迷って検索してみたら、Amazonで第三者のセラーが獄激辛を Hell Very Hot と逐語訳していたので、それを採用して Final をくっ付けた。